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【Re-Bone Wallet 製作秘話ー3】

 

 

【Re-Bone Wallet 製作秘話ー3】<出来上がるまでの道程その3>

 

Re-Bone classics の薄型の長財布から始めた Re-Bone Wallet のプロトタイプ(試作品)作りですが、第弐、第参号とより重厚感のましたオールレザーで進めていったわけです。

 

*Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ初号)カロング迷彩柄

<アウターにカロング迷彩柄を、インナーに牛革を使用した薄型長財布>

 

【特徴】

薄くて軽くてシンプル(重量138g)

 

【反省点】

見た目なのですが、高級感やインパクトが若干弱いのではないか?といったところでした。

 


 

 

 

 

*Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ弐号)ダイヤモンドパイソンF/C(ナチュラル艶)とB/C(マットチョコ・シルバーパール仕上げ)をそれぞれ組み替えた画像です。

<アウターにパイソン革をインナー収納部にカロングを裏地素材としてサドルレザーを使用したオールレザーウォレット>

 

【特徴】

厚く重量感のある形状にもこった長財布(重量240g)

 

【反省点】

インナーにもエキゾティックレザーを使用したオールレザーの長財布で、高級感やインパクトは抜群でしたが、財布を組み替えてもアウターの表情は変わるが、インナーの表情が変わらいことと、ファスナー生地幅が、財布の厚みに対して心配された。

 


 

 

 

*Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ参号)

 

【特徴】

弐号と同じ形状ながら、革自体の厚みをより薄く軽くしたタイプ(重量210g)

 

【反省点】

アウターとインナーそれぞれ組み替える事によって、表情を変えられることを確認できた。

ファスナー生地幅の心配もクリアされて及第点。

 

Re-Bone Wallet のオールレザーヴァージョンとして今後製作を予定する事となったが、Re-Bone Wallet の製品化第一弾としては初号~参号までの総合的なタイプで製作することとなりました。

 


 

【シンプルにしてクールで恰好良い長財布】

Re-Bone Wallet の製品化第一弾は、そのようなコンセプトで製作することになりました。

*Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット<ゴールドパイソン・デニム吟スリ>

アウターにパイソンF/C金箔を擦ってデニム柄をのせて再度擦った革を使用。

 

・初号の薄くて軽い長財布から、弐号の厚くて重量感のある長財布、参号の厚みを抑えて弐号よりも軽量化した長財布と取り組んできましたが、オールレザーと薄型の中間に位置する厚みと重量の長財布と位置付けました。

 

・ブランド名を冠して発売する Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレットは、リボーンのコンセプトのひとつである “ユニセックス” も表現したかったので、初号の薄型長財布を基調としながらも、機能性や収納面と重量、トータルバランスから細部にわたるフォルムまで拘って製作に取り組みました。(より美しいフォルムを求めて、縦幅を縮め角にRをもたせることダブルファスナーなど)

 

 

*初号からの主な変更点としては、*

1・財布片側を、マチなしタイプ→マチありタイプへ

 

 

 

2・小銭入れを、マチなし財布内側→マチあり財布見開き面へ

財布見開き面にあったカード段をインナーに移動。

 

 

 

3・角を直角→Rをつける

 

 

 

4・縦幅をそれぞれ5mmずつ、合計1cm短くする

 

 

 

 

 

 

より美しいフォルムを求めて、完成系である四号まできました。

 

当初の予定としては、ベロありとベロなしの両タイプでの発売も予定しておりましたが、組み替え時の楽しさや美しさ、トータルバランスなどから考えて、とりあえず “ベロあり” のみのデザインで生産することと決定致しました

需要があるようならばベロなしタイプも生産可能なのですが、紙幣やカードなどを入れた場合ベロなしの長財布は開きやすくなってしまう点も考慮しました。(ポケットなどに入れる分には逆にベロがない方が使用しやすいかと思いますが、鞄の中などで開いてしまう心配がない方を選択しました。)

 

四号から五号への若干の補正点として、職人さんから収納部に遊びを持たせるためにマチの幅を5mm増やしたらどうか?とアドバイスいただいたので、その点をお願いして、ファスナーの引手方向を合わせることに従って、ベロの取り付け位置を上下逆に入れ替えることとしました。

ポケット2つから3つに変更してカード段を18枚から10枚に変更しました。

 

 

結果として最終的に、収納前と後でも変わらないフォルムの長財布ができあがりました。

上の画像は、初号(壱号)四号、五号(製品化)にそれぞれカード段と紙幣25枚相当のものを収納した画像です。

ベロなしの長財布はやはりどうしても、少し開いてしまいますがベロ付の五号は5mm幅を広くとったこともあって収納前とほとんどそのフォルムに違いがないことを確認できました。

 

 


 

 

Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレットのプロトタイプから本製品までの画像です。

弐号(Ⅱ)と参号(Ⅲ)だけ、アウターとインナーのファスナーの引手の位置が逆になっていたので本製品ではファスナーの引手方向を同一方向にしました。そのことによってベロの取り付け位置も上下逆になっているのがお分かりいただけるかと思います。

 

それぞれのスペックです(数値はおおよその平均値)

 

*初号(Ⅰ)

サイズ 縦 100 (開いた状態210) /横 200    /厚み 15       ( mm )  /重量 138  g

ポケット3つ カード12枚 小銭入れ(マチなし財布中側)

 

*弐号(Ⅱ)

サイズ 縦 95 (開いた状態200) /横 195    /厚み 20       ( mm )  /重量 240  g

ポケット3つ カード12枚 小銭入れ(マチあり)

 

*参号(Ⅲ)

サイズ 縦 100 (開いた状態210) /横 195    /厚み 17       ( mm )  /重量 210  g

ポケット3つ カード12枚 小銭入れ(マチあり)

 

*四号(Ⅳ)

サイズ 縦 90 (開いた状態195) /横 195    /厚み 17       ( mm )  /重量 185  g

ポケット2つ カード18枚 小銭入れ(マチあり)

 

*五号(Ⅴ)

サイズ 縦 92 (開いた状態198) /横 195    /厚み 20       ( mm )  /重量 176  g

ポケット3つ カード10枚 小銭入れ(マチあり)

【雑誌レオン掲載のクロコ(ブラック)とブルーパールパイソン無双(エクセラミックスファスナー)の2つのみ特別Ver.としてカード16枚】

 

 

 

【最後に】

収納スペースや重量などの関係から、要所に裏地素材(シャンタンモアレーTEN)を使用してシンプルでありながらもレザー(皮革)はもちろん素材全般に至るまで、フォルムにもこだわった ‘財布を超えた財布’ を目指して Re-Bone Wallet/(着脱財布)リボーンウォレットの完成までたどり着けることが出来ましたが、細かい注文や指示に対しても協力して下さり、また意見交換なども積極的にしてくださった職人さんをはじめとして様々な方々からご意見や感想アイディアなどご協力いただきました。

 

自分ひとりでは到底ここまでこれることはできませんでした。

関わったすべての方々にこの場をお借りして感謝申し上げさせていただきます。

 

本当に有り難うございました。

 

 


 

次回は外伝として、Re-Bone Wallet/リボーン ウォレットの着想時から商品開発と同時進行でおこなっていた、特許庁への訪問から発明会館、弁理士会館での事柄や情報などを掲載させていただきます。

『これって、特許とれるのかなぁ』とか、『特許ってどうやって申請したら良いの』など素朴な疑問などをもっていらっしゃる方などのご参考になればと思います。

“特許申請の条件”などから始まり、実際に特許申請までに必要なことなども絡めてご紹介できればと思っております。

 

最後に現在発売中の Re-Bone Wallet/(着脱財布)リボーンウォレッと、現在制作中の画像などをご紹介させていただきたいと思います。

最後までお付き合いくださいまして誠にありがとうございました。

 

*質問や疑問など、お気づきの点などございましたら コチラ からお願い致します。

 

 


 

【Re-Bone Wallet/(着脱財布)リボーンウォレット】

◆クロコダイル(ブラック)【雑誌レオン掲載限定Ver.】

 

 

 

◆クロコダイル(レッド)

 

 

◆クロコダイル(モスグレー)

 

 

◆パイソン無双(ブルーパール)*エクセラミックスファスナー【雑誌レオン掲載限定Ver.】

 

◆パイソン無双(ブラック)

 

◆ダークブラウンパイソン

 

◆パイソン無双(ブルーパール)*アンティークシルバーファスナー

 

 

現在発売中のものは上記になりますが、今後発売予定のもののなかで現在制作中の一部をご紹介させていただきます。

 

おや?と思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、こちらの長財布はRe-Bone Wallet/リボーンウォレットの新しい試みの一つです。

アウターにサドルレザーを使用した高級牛革の長財布かと思いきや、開いてみるとエキゾティックレザー(パイソン)が出迎えてくれるという、‘見えないオシャレな長財布’ がコンセプトです。

 

インナーイメージとしては、こんな感じになります。

 

 

外側はおとなしめでいながら、中側(インナー)に秘めた豪華さをイメージしました。

 

それと、もうひとつはエキゾティックレザーを使用していない長財布です。

 

 

こちらはヤンピー(羊)の革になります。

 

インナーにはサドルレザーを使用。

ビロード調のシックで美しいヤンピーの革とエキゾティックレザーとの組合せなども楽しめる可能性を含ませることなど、Re-Bone Wallet/リボーンウォレットだからこそ思いつくことができました。

 

 

他にも、ブラウンパイソンのコバ塗りVer.や、無双タイプ、ブラックパイソンとブルーパールパイソンのインナーサドルレザーVer.なども控えております。

 

 

 

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Re-Bone Wallet/特許出願編

 

新製品を含めたリボーンウォレットのショップページ】→ http://rebone.tokyo/?mode=grp&gid=1683998&sort=n

 

 

 

 

 

【Re-Bone Wallet 製作秘話ー2】

 

【Re-Bone Wallet 製作秘話ー2】<出来上がるまでの道程その2>

 

Re-Bone classics の薄型長財布をたたき台として、プロトタイプ初号の製作を始めたRe-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレットでしたが、より重厚な革財布をということで、Re-Bone Wallet/オールレザーの製作へと取り掛かりました。

 

・Re-Bone classics/長財布(テジュー艶・ブラウン)

 

 

・Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ初号)カロング迷彩柄

<アウターにカロング迷彩柄を、インナーに牛革を使用した薄型長財布>

 

 

 

 

 

 

・Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ弐号)ダイヤモンドパイソンF/C(ナチュラル艶)とB/C(マットチョコ・シルバーパール仕上げ)をそれぞれ組み替えた画像です。

<アウターにパイソン革をインナー収納部にカロングを裏地素材としてサドルレザーを使用したオールレザーウォレット>

 

しかし、オールレザーの厚みに対してファスナー生地部分の遊びが少なく、お札やカードなどを収納すると思いのほか財布自体がパンパンになってしまう心配が出てきた為に、薄型の長財布でデザインを煮詰めていくか、幅広ファスナーを使用したオールレザー長財布をもう一度チャレンジするか選択を迫られることとなりました。

 

 


 

職人さんといろいろ話し合った結果、とりあえず通常のファスナーよりも5mm生地幅が広いファスナーを使って、もう一度オールレザーにチャレンジしてみようという事になりました。

 

 

通常よりも5mmずつ左右の布地幅が広いファスナーを注文し、上がってきたのがこちらになります。

こちらのファスナーを使って再び Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ参号)オールレザーの製作に入りました。

 

今回はファスナーの生地幅を広めただけではなく、前回よりも革自体の厚みを薄くしてもらうことを職人さんから提案していただいたので、そのように製作してもらう事としました。

 

更に、アウターとインナーの色や光沢感などの組み合せも試してみたかったので、アウターとインナーをそれぞれ違った革素材にしてみました。

そしていよいよ、Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレット(プロトタイプ参号)が完成しました。

<アウターとインナーそれぞれに違ったタイプのパイソンレザーを、裏地素材としてサドルレザーを使用したオールレザーウォレット>

 

 

*ベロ部分はそれぞれインナーと同じ革素材で製作。

 

*アウターに光沢のあるゴールド迷彩パイソンとインナー(ベロ部分)にパイソンマット黒で製作

 

 

 

 

*アウターにパイソンマット黒とインナー(ベロ部分)には光沢のない迷彩吟スリゴールドパイソンで製作

 

今回取り組んだ、前作からの課題であった“収納具としての遊び” も無事にクリアできました。

 

 

*画像上が前作(弐号)下がプロトタイプ参号ですが、ファスナー部分の遊びの違いと、革自体の厚みの違いを感じていただけるかと思います。

 

 

 

*財布を開いた画像です。ファスナー生地幅の分大きくなっているのがわかります。

 

 

 

 

 

アウターとインナーそれぞれに違った表情を持った長財布を組み替えた画像です。

見たかった表情の組合せなどは、実際にサンプルで試してみないとわからないことも多々あるので、今回のサンプル作りは非常に参考になりました。

 

 

 

*ここまでくる中で、いろいろと感じていた事、思っていたことがあったのでプロトタイプ参号の完成後にいよいよ Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレットの本製品の製作へと移行していきます。

 

様々なタイプを考えて幾つかを試作していく中で、デザインはできるだけ絞った方が良いのかな?と思っていたので、プロトタイプ初号~参号を合わせた総合的なタイプで決定しました。

 

次回はプロトタイプからの本製品への変更点などと製作中の Re-Bone Wallet の一部をご紹介させいただきます。

 

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Re-Bone Wallet/特許出願編

 

 

 


 

Re-Bone Wallet/着脱財布・リボーンウォレットのショップページはコチラ

 

 

【Re-Bone Wallet 製作秘話ーその1】

 

 

【Re-Bone Wallet /製作秘話ー1】<出来上がるまでの道程その1>

 

 

エキゾティックレザー(エキゾチックレザー)に製品としての生命への愛を…その為の骨子と成り得る何か?を模索していました。

 

 

*エキゾティックレザー(エキゾチックレザー)の組合せ

*独自のオリジナルデザイン

*エキゾティック(エキゾチック)レザーを通した他者との関わり合いの表現

*文字通り“ここにしかないもの”

 

 

そんなコンセプトのもと新しいお財布のデザインを考えている中で時に辿り着いたのは

 

【他者との関わり合いを具現化した収納具】

【文字通り財布を折半し自分以外の誰かとそのデザインを共有できる財布ーシェアウォレット】

【最終的なデザインをお客様の手によって完成させることができるお財布’ でした。】

 

 

+Re-Bone classics long wallet(長財布テジュー艶(茶))

 

早速、職人さんに相談して製作方法なども含めて二人で意見交換をしながら、ラフなどでイメージを絞っていきました。

そして、Re-Bone wallet のプロトタイプ(試作品)第一弾のたたき台として、classics から長財布を選定。

 

シンプルな長財布をたたき台に、<着脱財布>Re-Bone Wallet の製作に入りました。

 

 

 

 

Re-Bone Wallet・着脱財布(シェアウォレット)のプロトタイプ(試作品)の製作と同時に、財布に留まらない“収納具全般”として特許出願も並行しておこなっていたので、それらの書類作成のための図案を含めて、考え得る限りの部材や連結部材、形状に至るまでを書き出していって、シンプルにして実現可能な長財布を、そして連結部材にオープンファスナー(エクセラダブル)を第一弾として決定しました。

 

 

 

そして出来上がった Re-Bone Wallet プロトタイプ(試作品)第一弾になります。

 

カロング迷彩柄の吟スリをアウターに、インナーには牛革を使用して製作されました。

 

 

ベロなしの薄手の長財布です。

オープンファスナーには、エクセラダブルの、ミックスとアンティークシルバーを使ってみました。

 

使い勝手や、ファスナーを含めた耐久性など調べる為に実際に使用しながら改良点などを書き出していきます。

 

画像を見てお分かりいただけますが、通常の(革の)長財布と比べてのメリットとしまして、ほぼ360°の開閉が可能な点があげられるかと思います。

革の長財布でも当然、長く使っていただく事によって開閉もしやすく使い勝手も良くなってきますが、中央部分にファスナーを使用する事によって使い始め当初から開閉時のストレスがなくなりました。

 

お互いを組み替えた状態です。

実際に製品が出来上がったので、長所や短所など気が付いた点や効能(?)などメモしたものが、よりリアルな意見としてイメージを膨らませるのに役立ってくれたので、とても助かりました。

 


 

シンプルな薄型長財布の試作品が完成したので、第二弾は薄手の長財布の対局に位置する、厚みのあるオールレザー長財布(ベロ付)の製作をすることに決定しました。

 

使い始め当初から開閉しやすいので、鞄などに入れているときに開いてしまわないようにベロ付にしたのでした。

 

 

ダイヤモンドパイソンF/C(艶ナチュラル柄)とダイヤモンドパイソンB/C(マットチョコシルバーパール)をアウターに使用して製作。

 

インナー収納部にはカロング(マット黒半艶)を全面に使用して、裏地として牛サドルレザーで製作した為に相当厚みのある長財布になりました。

 

 

*お互いを組み替えたファスナー付近の画像です。

 

色違いのエクセラファスナーを組合せた感じなどもチェックします。

出来上がりとしては相当満足のいくものとなったのですが、ここで問題点(!?)が発覚します。

 

 

 

 

出来上がった時点で完成形となってしまったのです。

 

財布は、カードやお札や小銭などを収納する為の小物なので、それらを入れるだけの空間 ‘遊び’ がなさ過ぎたのでした。

オールレザーの長財布は、革に革を貼り合せて製作するので、思いのほか厚みが出てしまうのです。

 

通常の長財布でしたら、それでも革は伸縮するので使い込んでいくうちにその人色のカタチとなっていくので大丈夫なのですが、布地はそれ程伸縮しないのでファスナー部分に負荷がかかってしまい現状のエクセラのオープンファスナー幅では、ちょっぴり窮屈になってしまったのでした。

 

 

 

 

 

薄型の長財布で進めていくのか?

厚手の長財布でファスナーの布地の幅が広いものに変更して進めていくのか?

 

非常に悩むところではありましたが、その2に続きます。

 

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【Re-Bone Wallet /特許出願編】

 

 


 

 

*Re-Bone wallet / リボーンウォレット ショップページはコチラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Re-Bone Wallet /特許出願編ー∞“感謝の気持ち”<恩返しと恩送り>】

【Re-Bone Wallet /特許出願編ー∞“感謝の気持ち”<恩返しと恩送り>】

【感謝の気持ち】<恩返しと恩送り>

新しい審査官との面接で、手ごたえを感じた旨と共に審査官の方からいただいたアドバイスなども含めて一部始終を“Mさん”にご報告して明細書の読み直しと訂正の毎日です。

【請求項】を補正しなければならず、呼応している明細書も補正して補正した箇所には下線をひいて、何度も読み直しては補正の繰り返しでしたが希望の光が見えてきたので、辛くは感じませんでした。

ゴールに向けて最終形態を見据えて煮詰めていく作業。

お忙しい合間を縫って“Mさん”から補正案や補正する際の注意事項などを教えていただきながら期日前に間に合うように補正書を仕上げていきました。

その際も非常に些細な疑問や稚拙な質問なども“Mさん”に質問させていただきましたが、全ての問いかけに対して快く返答してくださったことも大変有り難かったです。

そしてついに7月15日(金)完成した【補正書】と【意見書】を手に特許庁に持参して提出。

帰り道はやはり日枝神社に参拝とご報告をして、階段の上から赤坂の街をボーっと眺めながら

この時は、‘やれることは全てやり尽くした’ ので後悔や未練といった感情はありませんでした。

唯々肩の荷がおりてホッとしたような….そんな気持ちでいました。

審査結果は、数週間程度で送付されると伺っていたのですが、一か月経っても送られてくることがなかったので、少しだけ不安な気持ちになりました。

もしかしたら、何か不備が見つかったのか?それとも?・・・・

そんな頃に不思議な夢を見ました。

以前母が住んでいた家の近くにお地蔵さんがあり、いつも行くとそこでお参りしていたのですが、夢の舞台はそのお地蔵さんがある非常に狭い石畳でした。

そこで三匹の魚の神様が何者かと戦う夢で、3対3の戦いでした。

魚の神様の一番手が相打ちで、二番手が健闘して相手のボスを引きずり出そものの、もう少しで勝てそうなところで負けてしまいます。

最後に残された魚の神様が瀕死のボスを打ち取って終わるのですが、相手方の3匹と神様の味方2匹が、天に昇っていくのを自分が見つめているところで目が覚めました。

何となく良いことが起こるような予感を感じました。

8月も終わりを告げた9月8日に特許庁からの郵便物が届きます。

淡い期待と共に、前回の時の記憶が甦ります。

深呼吸をして気持ちを落ち着けて開封すると、そこには【特許査定】の文字がありました。

何度読み返しても【拒絶理由通知】の文字はなく【特許査定】と記してありました。

この時ばかりは感無量というか、やっと辿り着けたという達成感と、“Mさん”への多大なる感謝の気持ちと……素直に嬉しかったです。

さっそく“Mさん”に、特許査定のご報告と共に、言葉では言い尽くせぬ程のご尽力を頂いた事への感謝の気持ちを伝えさせていただきました。

“Mさん”からは

『特許査定やっと来ましたか。少し時間がかかっているので心配していました。

 なにはともあれおめでとうございます。』

とのお言葉をいただいて恐悦至極でした。

大変お世話になった“Mさん”に今まで何の御礼もできていないので御礼をさせて下さいと申し出たところ“Mさん”から

『ご報告ありがとうございます。

 

 お礼などお気遣い無く。御社の事業が順調に発展することが何よりです。』

とのご返答をいただきました。

“Mさんと出会うことができたこと” そのことがまさに奇跡なんだと思います。

弁理士会館で初めてお会いしたとき、Mさんが『請求項を僕が考えてあげる』と言った理由について、“請求項以外の明細書の部分がしっかりとしていたから”だと仰られたことがあるのですが、【発明会館】【弁理士会館】でお会いした方々から頂いたアドバイス一つひとつを、必ず明細書に反映させていたことが少しずつ実っていたのかもしれません。

ド素人が作った明細書がプロの方々のご意見を頂戴して、その都度明細書を書き直していったことによって少しずつ当初よりはマシなものになっていったのかな?…と思います。

もちろんそれ以上に、“Mさん”の人間的な寛容さがあってこそのご提案であったことには言葉に尽くせぬ感謝しかございません。

一つとしてムダな出会いはありませんでしたし、そのどれが欠けても結果は違ったものになっていたかもしれません。

“Mさん”へのご恩返しも、もちろんですが、あの時の自分のように何かのアイディアを思いついた方、何かを始めたいと思いながらも迷っている方が最初の一歩を踏み出すキッカケ、若しくはヒントになってもらえれば….そう思って、この特許編を執筆した次第です。

最初は自分の頭の中だけにしかなかったものが、最初の一歩を踏み出したことによって出会う全ての方々に支えられ、助けられてここまでくることができました。

今まで出会えた方々の誰か一人が欠けても結果は違ったものになっていたかもしれません。

人間はひとりでは何もできないことを教えていただきましたし“Mさん”の存在がなければここまで辿り着けることは出来ませんでした。

これを99999人の方が読んでも、何の参考にもならないし、つまらなく感じるかもしれません。

でも、いつか誰かの背中を押すキッカケ、何かのヒントになってもらえればと思っています。

【特許査定】の通知から一週間後の2016年9月15日に、特許庁へ行って特許料の納付をしてきました。

とうとう特許の権利が実現した日です。

2007年に他界した父の命日である“中秋の名月”がこの年は9月15日だったので、生きているうちには何の恩返しもできずにいた父への、せめてもの感謝の気持ちでこの日にしました。

そして今まで何度となく通った【発明会館】や【弁理士会館】を辿りながら、今まで出会いお世話になった方々への感謝の気持ちや、その時のことなどを思い出しながら歩いて特許庁に御礼を告げると、いつもの道を辿って日枝神社へ。

階段を踏みしめながら上って参拝、今までの御礼とご報告をすませて、日枝神社の階段から今までのことを想い出していました。

【特許取得を絶対目標】としていたのには理由がありました。

2007年に父が亡くなり母が代表を引き継いでいた会社でしたが、父の代の売り先の会社社長の突然死による売掛金の未回収や、フロリダに展開していたアリゲーターの皮鞣し工場の失敗による負債が残されていました。

父が亡くなってから暫くの間は、母とは会社の経営方針の違いなどからの対立もありコミュニケーションもままなりませんでした、ある日詳細を知り父の作った会社と、母を護るための“傘”として考えたのが特許でした。

かといって当時は弁理士に依頼できる状況ではなかったので、‘自分でやるしかない’ そう思って最初の一歩を踏み出しました。

その後、様々な方々との出会いがありアドバイスやアィディア、叱咤や激励などをいただき、その出会い全てが血と成り肉と成っていきました。

(弁理士会館でお会いしたときに “Mさん” にだけは自分の置かれている状況を打ち明けていました)

ホームページ制作と特許書類作成、製品のデザインなどを並行して行っていたのですが、そんな自分を見て母が変わっていくのがわかりました。

お昼ごはんを買いに行く時間も惜しんでいた自分のために、お弁当を買ってきてくれるようになり、お互いに少しずつコミュニケーションを図るようになってきて、本当に良い雰囲気になりかかっていた…そんな矢先に母の末期ガンが宣告されたのです。

母が、がんの宣告を受けるほんの数日前に、チラシをみて買ってきてくれた最後のお昼ごはん “キジ丼” を食べた、あの日のことは一生忘れないでしょう。

自分もショックでしたが、誰よりも母の受けたショックは計り知れないものがあったと思います。

『なんで私が・・・』そう呟いている母がいました。

“姉や兄と相談して最終的な治療方針の決定をして欲しい”と母から任された自分は、気休めでも良いからとガンについて勉強し民間療法を検索したり、ガン治療についての病院などを探して病院を訪ねたりしながら、入院中の母のもとを1週間に3、4回ほど訪ねていたのですが、この頃が一番コミュニケーションを取っていました。

その昔…15年ほど前に父に、ジンバブエに象皮の落札に同行させてもらったことがありました。(思えばこの旅行が父との最後の旅行となりました)

象皮の落札後ビクトリアの滝を二人で見に行き、帰国した時に母が“ギランバレー症候群”で入院していたことがありました。

ガンもですが、人間の免疫力に“深呼吸”が効果的だと何かに書いてあったので、自分が母にそのことを伝えた翌日、病院に行くと母が嬉しそうに“深呼吸ができたこと”また“深呼吸をすることの気持ち良さ” “ギランバレーの発症以降、深呼吸をしていなかったことを、深呼吸をしてみて自分で理解してビックリした”…などのことも話してくれて嬉しかったことを覚えています。

病院に行くといつも“母を笑わせること”ばかり考えていましたが、お互いに笑いながら話しもできたので、短かったけれどある意味幸せな、良い時間を過ごすことができました。

“Mさん”への感謝も度々口にしていました。

でもそんな母も、もう居ない・・・

“傘”は、やっと手に入れられたのに、その“傘”で護る人はもういないんだな・・・

そんなことを想いながら。

『ごめんね、間に合わなかった・・・』

そう呟いたときに

『これからはその傘で子供たちを護ってあげて』

そう言われたような気がしました。

ちょっぴり切なさが晴れた気がした2016年9月15日 “中秋の名月” の日のことでした。

終わり

【最後に】

今回の特許取得にあたって “Mさん” を始めとして自分のわがままを聞いて製作していただいた職人さんや協力してくださったファスナー屋の社長、何も知らなかった自分に対して寛容に接してくださった特許庁の方々、審査官の方々、【発明会館】の方々、【弁理士会館】の方々、応援して激励の言葉を掛けてくださった友人知人の皆さま、その他関わり合った全ての方々に御礼と感謝申し上げます。

自分ひとりでは何もできないのだということを教えていただきました。

本当に有り難う御座いました。

最後になりますが、沢山のメールのやり取りをしていただいた “Mさん” から送って送って頂いた文章の一部を抜粋して記載させていただきます。

いつも『こんにちは、がんばってますか』で始まるメールに、どれほどの勇気と希望をいただいていたことか計り知れませんでした。

本当に“Mさん”からのメールは感謝の言葉が見つからぬ程に感じておりましたし、自分の活力でした。

◆“Mさん”の貴重な財産であり、私自身の貴重な財産の一部であると認識しておりますが、“Mさん” にお世話になった自分がいたから現在の自分が存在できているのだと思っています。

(Mさんから掲載のご許可をいただいております)

もしもご自分で道を切り開こうとしている方がいらっしゃったなら、些細なヒントにでもなればと思ったので掲載させていただきます。


こんにちは。がんばってますか。

 

○請求項に対応する文言はほぼそのまま、全請求項につき【課題を解決するための手段】の項目に記載してください。

(例)

第1の発明は、・・・を特徴とする収納具である。

・・・・・

3の発明は、前記第1または第2の発明において、・・・したことを特徴とする収納具である。

 

その他、以下のような明細書を記載するうえでのセオリーがあるので、これを参考に明細書を記載してください。

① 請求項に上位概念で記載した構成(本発明の場合は「連結部材」「収納部」など)は実施の形態(または実施例・・・本発明ではどちらでもよい)の説明にて必ず具体例を2つ以上例示すること。

たとえば「連結部材」としてファスナーしか記載していないと、審査官から「連結部材では抽象的なので請求項の記載をファスナーに限定せよ」のような補正指令を受けてしまうことがあります。実施するかどうか、実用的かどうかはこの際度外視して、たとえば連結部材であればホック式、スライドレール式、磁石式など、思いつく限り具体例を挙げてください。

② 【発明の効果】の記載について。この項目には本発明の基本的な効果のみを記載すればよいが、請求の範囲に記載した各請求項の構成による効果は実施の形態のところでできるだけ(考えつく限り)記載すること。

③ 実施の形態での具体的構成はできるだけ図面を使って説明すること。

出願後の明細書の記載を補正することは現行法では厳しく制限されており、最初に提出した明細書や図面に記載していなかったことは(効果なども)、いっさい追加することができません。ただし図面にしっかりと描いてあれば、万が一言葉が足りなかった場合にその図面を根拠に書き加えることが可能になります。

④ 請求項と実施の形態による具体的構成とが1対1で対応している必要は無いが、実施の形態の記載で請求項の内容と効果がすべて網羅されるように注意すること。

 

こんなところです。これを参考に明細書をひととおり完成させてみてください。

健闘を祈ります。


上記抜粋部分は、沢山のやり取りをさせていただいていたほんの一部ですが、“Mさん” の存在がなければ結果は違ったものになっていたであろうことは想像に難くありませんでした。

■長くなってしまいましたが最後までお読み頂き、有難うございました。

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Re-Bone Wallet が出来上がるまで

Re-Bone Wallet/リボーンウォレット 製品開発秘話

【Re-Bone Wallet /特許出願編ー12“最後の面接”<ひとりではない>】

 

 

【Re-Bone Wallet /特許出願編ー12“最後の面接”<ひとりではない>】

 

【最後の面接】<ひとりではない>

 

返答期限のリミットは “7月19日”

 

気持ちも時間もギリギリの状況でしたが、7月4日“Mさん” から【反論趣旨】と【補正書案】が送られてきます。

 

その時に『ぎりぎりになってしまいましたが、できれば審査官と面接し、補正案の可否につき意見をもらい、以下の反論で納得できそうか感触を当たってみてください。今回の補正が不適切である、あるいは反論が納得できないという感じであれば権利化は難しいと思います。』

そう書き添えられていました。

 

早速その日のうちに特許庁に電話して審査官の方をお願いすると、受付の方から意外なことを言われました。

 

審査官の方が6月いっぱいで人事異動により自分の特許出願の審査官から外れて、別の審査官に変更したというのです。

後で知ったのですが、人事異動でも案件は引き継ぐことが多いので、審査途中での審査官の変更は特許庁でも珍しいことらしいです。

 

期日直前での審査官の変更が何を意味するのか分かりませんが、追って新しい審査官からの連絡を待つように言われました。

 

7月19日が返答期限なので、出来るだけ早い日程での面接を希望している旨をお伝えして特許庁からの連絡を待ちました。

 

 

 

 

程無くして新しい審査官の方からご連絡を受け、翌日7月5日の15時30分に面接が決まりました。

 

翌日に面接が決定したことをご報告した“Mさん”から、温かい励ましのお言葉をいただきました。

 

がんばってください。

一応念押しですが、本願発明のポイントは次の点です。

ここに特許性が認められるかどうかで結論が左右されます。

 

 つまり本願発明は引用例のような単なる着脱自在な収納具ではなく、連結部材を介して互いに連結可能な多種多様な表装具の一群全体が発明の構成要素なのであり、この表装具群がユーザーに提供されることで初めて発明の目的を達成することができるのです。この点を審査官に強調して下さい。

 

 

“Mさん”からのメールはいつでも温かく、そして寛容でした。

 

最初は、一人で歩き始めた道が ‘ひとりではない’ そう思えることがこんなにも心強く感じる日がくるなんて思いもよりませんでした。

 

 

 

 

 

 

“Mさん”からいただいた【反論趣旨】と【補正書案】アドバイスを胸に、新しく出来上がったプロトタイプ(サンプル)を持って特許庁の門をくぐって三度目の面接へ向かいました。

 

 

新しく担当になった審査官の方は、人当たりの良い女性の方でした。

 

ご連絡させていただいてから早々の面接日を提案していただいたことへの御礼と、初めてお会いしたことへのご挨拶を済ませると早速、実際の製品を持参していたので、それらを持って説明を加えながら【反論趣旨】と【補正書案】に目を通していただいて、ご意見を伺いました。

 

 

“天か地か” ドキドキの瞬間でした。

 

 

『今回の補正が不適切である、あるいは反論が納得できないという感じであれば権利化は難しいと思います。』

 

 

 

“Mさん” のお言葉が頭を駆け巡ります。

 

 

 

長い沈黙のあとに審査官の方からでた言葉は

 

 

 

『補正案は拒絶理由通知に対する補正の要件を満たしていると思います。』

 

 

反論要旨についても『たしかに、引用例との違いのポイントを明確に強調されているので大丈夫だと思います』とのお言葉を頂きました。

 

 

続けて注意点として、『全てが無駄になってしまうので、期日だけは過ぎない様に提出して下さいね。』とアドバイスいただき、直前での面接を快諾いただいた事も併せて再度御礼を告げて、特許庁をあとにしました。

 

 

 

そしていつも特許庁の帰りに寄っていた日枝神社で参拝と、本日の面接のご報告をしました。

 

 

この時の気持ちは、嬉しい気持ちよりも、少しだけ“ホッ” とした気持ちの方が大きかったです。

 

もしかしたら、特許庁の門をくぐることはこの日が最後になっていたもしれなかったからです。

 

特許取得に向けてほんの少しですが光が差し込んできたように感じていました。

 

【特許取得が絶対目標】としていたのには理由がありました。

 

何はともあれ、首の皮一枚つながったことは間違いなかったので、兎に角 “ホッと” した気持ちと共に、明日から期日に間に合うように明細書の補正をすることを肝に銘じながら、日枝神社の階段から街を眺めていました。

 

 

つづく

 

 

 

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Re-Bone Wallet が出来上がるまで